都市計画のデータ分析(全20回)
FINAL EPISODE 総集編
研究ワークフローとAI
-19の手法を、1つの研究に組み立てる-
第 20 回(最終回) 第Ⅳ部|時系列・応用
19回分の手法を、1つの研究の流れの中に
位置づけられるようになる
今日の内容
シリーズ全体の地図、研究テーマとの対応、研究ワークフロー、一連の研究における視点の統合
なぜ今、振り返るか
手法は「道具箱」。道具の使い分けだけでなく、道具を選ぶ地図を持つことが研究を前に進めるから
4つの部は独立ではなく、後の部が前の部の手法を土台にして積み上がる構成になっている。
① 居住地環境の向上
徒歩圏のアクセシビリティ・生活の質
第4, 7, 8, 9, 12, 15回
② 拠点のにぎわい形成
個別拠点の機能・持続可能性
第10, 16, 17回
③ 広域的な都市構造のマネジメント
圏域全体の計画・データ・政策ツール
第1, 2, 3, 5, 11, 13, 14, 16回
④ 新たなライフスタイル・多様な行動
個人の価値観・働き方・関わり方の変化
第6, 12回
※ 第18・19回(データ分析の失敗例①②)は、特定テーマではなく研究全体に関わるメタ回のため、上の①〜④の割当からは外している。
室岡太一・堀川倖・谷口守 (2025)「居住誘導区域におけるx-minute cityの評価指標と可視化ツールの提案―アクセシビリティと交通行動の両面から―」土木学会論文集, 第81巻, 第20号, 論文ID 25-20087, DOI: 10.2208/jscejj.25-20087.
本研究における「人の動き」と居住地・拠点との対応関係(筆者作成)
評価軸:環境整備(歩いていける)だけでなく、実際の人の動き(歩いていく)をモニタリングする視点。ここから Beyond x-minute city(居住地からの徒歩移動)と P & X(拠点での活動)を提案した。
文献整理 → データ分析
先行研究のPDFを要約・比較し、そのまま分析コードの設計に接続する
英語執筆 → コーディング
分析結果の解釈を英語論文の文章にし、図表化のコードまで一貫して任せる
プロンプト例 1
「この5本の先行研究のPDFを読んで、手法・データ・主要な知見を表にまとめて、自分の研究との違いを整理して」
プロンプト例 2
「このRのクロス集計・残差分析の結果を、Discussionセクションの英語の文章にドラフトして。断定しすぎない表現で」
① 手法から入らず「問い」から入る 「この手法を使いたい」ではなく「この問いを解くには何が要るか」から逆算する。
② 1つの手法に固執しない クロス集計で分からなければ回帰、回帰で分からなければ類型化——手法は道具箱の一部にすぎない。
③ 可視化は目的ではなく手段 きれいな図表を作ること自体がゴールになっていないか、常に「誰に何を伝えるか」に立ち返る。
19の手法は、「問い→データ→手法→可視化→政策提案」という
1つの研究の流れの中で、はじめて意味を持つ
第Ⅰ〜Ⅲ部で学んだこと
データの性質を見極め、統計分析と空間操作・コロプレス・バッファ・独自指標・KDEなどの空間分析の両面から関係性と構造を定量的に示す視点
第Ⅳ部で学んだこと
時間軸と人の動き(経年変化・OD)を捉えたうえで、データ分析の失敗(課題設定/実行・運用)を見抜き、研究全体を組み立てる視点
都市計画のデータ分析(全20回)
全20回、ご視聴・ご閲覧いただき
ありがとうございました
手法は増えても、大切なのは「その先にある問い」。
この教材が、皆さんの研究や実務における次の一歩の助けになれば幸いです。
もう一度シリーズを見返すなら
第1回「可視化チートシート」に戻り、全体をもう一周してみてください。
- シリーズ完結 -