都市計画のデータ分析(全20回)
ガイダンス/シラバス
−手法の“選び方”から学ぶ、研究と実務のためのデータ分析入門−
全 20 回 第Ⅰ部〜第Ⅳ部を通して学ぶ
都市分野のデータ分析を始める人が、自らの手でデータを分析し、
政策と実践に活かせる洞察を導けるようになること
学生に限らず、行政・民間の実務者も対象に
なぜ「洞察」か
手を動かす作業はAIでも代替できる時代。答えを出すこと自体は難しくなくなりつつある。
重心を置くところ
だからこそ、問いを立てる力と解く力に重心を置く。
①図解で手法の勘所を伝える
これから研究を始める人にも、統計を学び直したい人にも直感的にわかるよう工夫する。
②実際の研究で使った図表を例題に
手法が現実の都市の問いにどう効くかを、生きた事例で示す。
③基本・発展の2段Work
具体的な作業手順はあえて示さず、「問いを立てる力」と「解く力」を実践的に鍛える。
④AIで効率よく分析するプロンプト例
「自分で考える→AIで加速→別の方法で検証」という進め方まで紹介する。
Ⅰデータと可視化の基礎
Ⅱ統計分析
Ⅲ空間分析
Ⅳ時系列・応用
この部の意義
データを正しく読み・見せ、良い問いを立てる土台。分析の前提(尺度・分布・公的統計の定義・調査設計)と「何を問うか」を身につける。
未到達
目的と関係なくグラフ・代表値を選ぶ。公的統計の定義差を意識しない。「作業」で止まり問いを立てられない。
到達
目的に応じてグラフ・代表値を選べる。データの定義や偏りに注意して読める。自分で問いを一つ立てられる。
優良
可視化の誤読リスクまで説明できる。データの限界を踏まえ問いの妥当性を検討し、新規性・有用性のある問いを設計できる。
この部の意義
2変数から多変量へ、関係・構造・要因を数量的に捉える。現状把握(クロス集計・相関)から次元縮約・類型化・要因分析まで。
未到達
検定や相関係数を出すだけで解釈しない。疑似相関・生態学的相関に気づかない。手法名だけで中身を説明できない。
到達
クロス集計・相関・主成分・クラスター・回帰を目的に応じ選び、結果を言葉で解釈できる。前提(期待度数・統制変数等)を確認できる。
優良
手法の限界と落とし穴(交絡・過剰解釈)を踏まえ結論を留保できる。複数手法を組み合わせ現象を多面的に説明できる。
この部の意義
都市の「どこで」を扱う。空間操作・コロプレス・到達圏・独自指標・密度推定で、地図として現象を捉え政策に橋渡しする。
未到達
実数のまま塗る。バッファと到達圏を混同する。指標を定義できず、既存指標を鵜呑みにする。
到達
率に正規化した地図を作れる。直線バッファとネットワーク到達圏を使い分ける。目的に沿った指標を数式で定義できる。
優良
階級区分やバンド幅の恣意性を説明し頑健性を確認できる。独自指標の解釈性・単調性・一貫性を吟味し、地図を政策判断に接続できる。
この部の意義
時間・人の動き・意識・計画の実態へ応用し、20回の手法を一つの研究に束ねる。政策と実践への接続と研究ワークフロー。
未到達
2時点を比べるだけで変化を型に落とせない。意識と行動を切り分けない。分析が政策の示唆につながらない。
到達
経年変化やODを設計に沿って集計・類型化できる。意識×行動のギャップを検定で示せる。結果を政策・実践の示唆に結べる。
優良
複数回の手法を束ね一貫した研究ストーリーにできる。活用仮説(誰の意思決定を変えるか)を明示し、限界と次の問いまで示せる。
各回の流れ
ゴール→導入→概念→手法→研究例→落とし穴→AI活用→まとめ→Work(基本/発展)
それでは、まずは第1回へ。